不動産フランチャイズは儲かる?フランチャイズで新規参入する流れとその実態とは?
不動産業界への新規参入を検討されている皆さん、最初に思い浮かぶのは「フランチャイズ」ではないでしょうか。「ノウハウがない」「ブランド力がないから集客が不安」といった課題を解決してくれるフランチャイズは、魅力的に映るかもしれません。しかし、本当にその参入方法が最適なのか、一度立ち止まって考えてみる必要があります。
不動産フランチャイズ参入にかかるコストとその実態
一般的に、不動産会社を独立開業するには800万円ほどの初期費用がかかると言われています。内訳は、加盟料が300万円、店舗関連費(物件取得費、内装工事費、設備費)が200万円、保証金が100万円、資格取得費用が10万円です。
さらに、不動産業界は労働集約型ビジネスのため、人材採用が不可欠です。仮に1人あたり50万円の採用コストがかかるとすると、3~4名採用するのに200万円が必要です。初期費用800万円は一見安価に思えるかもしれませんが、これに加えてランニングコストも考慮しなければなりません。
毎月のロイヤリティに加え、3~4名の店舗運営にかかる人件費、そして広告費などを合わせると、毎月の販管費は400万円~500万円にも上ることが珍しくありません。
フランチャイズ参入は本当に儲かるのか? 収益の現実
では、その投資に見合うだけの収益は得られるのでしょうか? 不動産業界は大きなマーケットですが、収益を上げるのは決して簡単ではありません。媒介物件を獲得し、買い手を見つけるまでには、およそ半年ほどの期間を要します。そのため、最初の半年間は売上が立たないまま、毎月500万円近い費用が流出していく状態になることも覚悟しなければなりません。
さらに、地方の中古物件の場合、1件あたりの仲介単価は物件価格1,500万円で計算すると約51万円です。この仲介手数料で前述の販管費をカバーしようとすると、月に10件(両手取引なら5件)以上の仲介契約を成立させなければ赤字になってしまいます。結果として資金がショートし、閉鎖に追い込まれるフランチャイズ加盟店も少なくありません。
完全仕組化で本当に儲かる! 不動産新規参入のロードマップ
「未経験から、大手のようなブランド力がない会社での不動産参入は不可能なのでは?」そう思われたかもしれません。しかし、答えは**「No」**です。適切なロードマップに基づき、正しい方法で参入・経営すれば、未経験からでも成功することは十分に可能です。
では、その「正しいロードマップ」とはどのようなものでしょうか? それは、現在の時流に合った不動産ビジネスモデル、すなわち「中古住宅×リノベーション」です。市場が縮小していくことが明確な現代において、他社との明確な差別化を図り、競合がターゲットとしない顧客層から売上を創出することが不可欠となります。
築0年~20年の成約単価が高い物件は、大手不動産会社や地域一番店がシェアを占めており、新規参入ではなかなか集客・仲介が難しいのが現状です。一方、築30年以上の築古物件は、仲介単価が低く、リフォームが必要なため、不動産会社から敬遠されがちです。しかし、この築30年以上の物件の在庫シェアは、地方都市を中心に年々増加しています。ここにこそ、リフォームをセットで受注する不動産ビジネスの大きなチャンスがあるのです。
通常の売買仲介では、お客様の予算が3,000万円であれば、その上限で物件を仲介し、約96万円の手数料粗利を得る形になります。これに対し、「中古仲介+リフォーム」の場合、3,000万円の予算のお客様に対し、600万円のリフォーム予算を確保し、残りの予算で物件を提案します。この場合、最終的な粗利は282万円となり、通常の売買仲介と比較して2倍以上の粗利が見込めます。また、顧客層が一次取得者となるため、リフォームの打ち合わせ回数が少なく済み、相見積もりも発生しにくいため、非常に生産性の高いビジネスモデルと言えるでしょう。
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