【朝礼・終礼チェックシート付き】仲介店舗で成果を出す ための行動計画の具体化
いつもありがとうございます。船井総研の宮下です。
今回は、「仲介店舗で成果を出すための行動計画の具体化」と題し、店長が行うべき行動管理について詳しくお伝えします。
今回お伝えしたいこと
店長に求められる第二の仕事「行動管理」
スケジュールの区切り方
案件管理と行動管理を同時に行う「朝礼」と「終礼」の型 ※朝礼・終礼チェックシート付き!
1.店長に求められる第二の仕事「行動管理」
個人のスケジュールに業務を落とし込む行動管理は、店長にとって「第二の仕事」と言われるほど非常に重要なマネジメントです。
突然ですが、店長の皆さんに質問です。
今、あなたの店舗メンバー全員の「今日の行動予定」を言えますか?
「バッチリ言える!」という方は、きっと日頃から行動管理を意識されていることでしょう。
そうでない方は、これからご紹介するSTEP0~STEP3を一つずつ実践してみてください。きっと行動管理ができるようになります。
【店長に求められる行動管理ステップ】
●STEP0:カレンダーを共有する(クラウド化する)
●STEP1:共有カレンダーを元にメンバーの予定を把握する
●STEP2:メンバーの行動枠を整える
●STEP3:各メンバーの次の行動計画をマネジメントする
《STEP0:カレンダーを共有する》
これは店長やマネージャーが行動管理を行う上で、最も基本的なステップです。
近年、デジタル化やDXが推進されていますが、ご相談を受けて初めて伺う会社の中には、未だに以下のような方法で行動管理をしているところが少なくありません。
●ホワイトボードで管理していて、月中や月末に書き換えている
●個人の手帳に任せている(結果、誰がいつ空いているか分からない)
多店舗展開や働き方改革によるテレワーク導入などを考えると、「いつでもどこでも」メンバーの行動予定を把握できるツールは、マネジメントに欠かせません。
船井総研では全社員が「Googleカレンダー」で行動予定を共有していますが、他にも無料のカレンダー共有アプリは多数あります。自社に合ったものを選んで導入してみてください。
《STEP1:共有カレンダーを元にメンバーの予定を把握する》
せっかくクラウドツールを導入してメンバーの行動予定が見える化されても、行動予定を記入・把握しなければ意味がありません。
カレンダーに限らず、新しいツールやシステムを導入した会社でよく起こりがちなのは、以下の問題です。
●これまでの古いツール(ホワイトボードや手帳)を使い続けてしまう
●新しいツールが使いづらく感じ、現場から不満が出る
●店長やマネージャーが使用状況を把握していない
これらを防ぐためには、店長・マネージャー自身が使い続けるのはもちろんのこと、これまでのツールの使用を禁止することも効果的です。
具体的には、以下のような対策が必要でしょう。
●カレンダー代わりに使っていたホワイトボードを撤去する
●社員への手帳配布をやめる、またはカレンダーページを削除する
●ローカルでの仕事を禁止する
●Google WorkspaceやMicrosoft 365などを使って仕事をするよう徹底する
《STEP2:メンバーの行動枠を整える》
これはマネジメントを行う上で、あらかじめスケジュールの枠組みを作ってしまうことです。
船井総研では、1日を「3つの時間帯」に分け、アポイントを組むよう指導しています。
次のセクション(2.スケジュールの区切り方)で詳しくお伝えしますので、ここでは割愛します。
《STEP3:各メンバーの次の行動計画をマネジメントする》
このステップができるようになると、売上に変化が現れ始めます。
店長から各メンバーに対し、「今週は残り3アポ組んでほしいから、最低10件の反響を獲得しよう!」といった、非常に具体的な目標共有ができるようになります。
具体的に何をするかというと、以下の5つです。
1. メンバーの現状数値と目標数値の「ギャップ」を把握する
2. ギャップを埋めるために必要な成約数を生む「来店アポ数」を計算する(来店成約率から計算します)
3. 必要な来店アポ数が取れているか、共有カレンダーで確認する
4. 不足している件数や状況をメンバーと共有する
5. 必要な見込み客(反響)を獲得するための段取りを組む
これを毎日、あるいは毎週繰り返していくことで、メンバーが何をすればいいかが明確になり、行動が変わってきます。
マネジメントを徹底するには、STEP0のツール導入とSTEP2のルール作りが重要です。
次に、その仕組みについてご説明します。
2.スケジュールの区切り方
先ほどのSTEP2のルールについてです。
どんなルールかというと、「1日のスケジュールを“3つの時間帯”に分け、アポイントを入れる」ことです。
3つの時間帯とは以下の通りです。
1. 10:00~12:00
2. 13:00~15:00
3. 15:00~17:00
すべての予定をこの3つの時間帯でスケジューリングすることにより、店長は各営業スタッフの接客に同席しやすくなります。
これは「チーム営業×全員接客」の実践に繋がります。
もちろん、すべての営業の全時間帯に同席することは難しいため、メンバーの年次や経験に応じて、以下のいずれかのタイミングで同席するようにします。
●接客開始時の挨拶
●ヒアリング
●物件紹介
●クロージング
ベテランだから同席しないというのはNGです。すべての接客には「顔出し」をして、「店長の〇〇です」と笑顔で名刺を渡すだけでも、顧客との関係性は大きく変わってきます。
3つの時間帯でアポを組むと、メンバーのカレンダーを見ればいつ空いているのかが一目瞭然になります。
さらに、「1アポ=内見含めて2時間」というルールにしてしまえば、属人化しがちな接客時の時間配分も、店舗である程度統一することができます。
メンバーにとっても「店長が全案件にサポートに入ってくれる」「挨拶からクロージングまでの流れが決まっていて真似しやすい」といったメリットがあり、新人の成長促進や離職防止にも繋がり、店舗の実行力アップの一助となるでしょう。
顧客主導になりがちな「時間の使い方」について、店舗側や営業スタッフ側で「主導権」を握ることは非常に重要です。
いつも忙しい人、忙しいわりに成果が上がらない人は、「時間の主導権(=人生の主導権)」を他人に握られているからです。
不動産仲介のプロとして仕事をし、お金をいただくのですから、相手の都合に合わせた時間で来店アポを組むよりも、店として最大限のパフォーマンスを提供できる時間にアポを組んだ方が、お客様の満足度も高くなると思いませんか?
3.案件管理と行動管理を同時に行う「朝礼」と「終礼」の型
※朝礼・終礼チェックシート付き!
今回のコラムの最後は、仲介店舗で皆さんが実践されている「朝礼」と「終礼」の型をお伝えします。
朝礼・終礼の目的は、以下の通りです。
●店舗の全案件を全員で共有する
●店舗の全顧客を全員で共有する
●明日/今日の行動予定を管理する
●目標に対する現状を把握する
これらを通じて、数値管理・案件管理・顧客管理・行動管理と、店長がやるべきマネジメントが盛りだくさんです。これらを徹底できるだけでも、メンバーの行動や店舗の売上が変わってくるでしょう。
それぞれのポイントをまとめてみます。
【朝礼のポイント】
1. テキパキと元気よく進めることで一日のリズムを作る
2. 全社員の行動予定を確認する
3. 部門内の情報共有(来店予定、トラブル、その他)を行う
4. 個々の気づきを共有する(1日1名)
5. 店舗の数値状況を共有する(金額・件数)
【終礼のポイント】
1. 全社員と店舗の数値状況を共有し、具体策を決定する
2. 本日のアポイント結果を全社員で共有する
3. 全社員の明日の行動予定を確認する ※状況に応じて、各メンバーごとに行動予定を管理すること(前述のSTEP3)
朝礼・終礼で実践したいチェックリストの例も、今回ご用意しました。よろしければ参考に、ご自身の店舗での実践にお役立てください。
いかがでしたでしょうか。
仲介店長が注力すべきマネジメントの一つである「行動管理」について、深く掘り下げてお伝えしました。
これらはいきなりできるようになるものではなく、一つずつ積み上げていく必要があります。ぜひ、ご自身の会社でも取り組んでみていただけたら幸いです。
次回以降も引き続き、「賃貸仲介での業績アップ」に繋がる情報をお伝えしてまいります。引き続き、本メールマガジンをご活用ください。
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