反響来店率60%を達成する方法~賃貸仲介即時業績アップ手法
賃貸仲介業において、安定した業績を上げるためには、いくつかの重要な指標を把握し、それぞれに対する施策を講じることが不可欠です。特に、反響来店率、案内率、案内からの申込率、成約率、そして単価の5つの項目は、業績を左右する重要なKPI(重要業績評価指標)となります。本コラムでは、これらの中でも特に反響来店率に焦点を当て、それを高める具体的な手法から、さらには案内率と申込率の向上まで、賃貸仲介の業績アップに直結する即効性のあるアプローチを解説します。
反響来店率60%達成への道:対応速度と追客頻度が鍵
反響来店率を高める上で特に重視すべきは、反響対応速度、追客頻度、そして反響返信内容の3点です。現在の業界平均では、メール反響来店率が20~30%、電話反響来店率が60~70%で、総反響来店率は40~50%となっています。しかし、目標とすべきは、メール反響来店率40%、電話反響来店率80%、そして総反響来店率60%です。
総反響来店率が50%に満たない場合は、まず反響対応の速さと追客頻度を改善する仕組み作りが急務です。
●メール反響への対応:反響があった日から3日間、毎日3通のメールを送信しましょう。これにより、他社との追客頻度で差別化を図り、見落としや返信忘れを防ぎます。ただし、初回返信が遅れるとお客様の興味を失ってしまう可能性があるため、迅速な対応を心がけてください。
●電話反響への対応:一度電話がつながらなかった場合でも、すぐに諦めずショートメッセージを送ることが重要です。日中仕事で電話に出られないお客様も多いため、ショートメッセージは有効な連絡手段となります。
総反響来店率が50%を超えている場合は、さらにトークスクリプトや反響返信メールの定型文を見直しましょう。特にメールの自動返信定型文は、最初の数文で機械的な印象を与えないよう、「人が対応している」雰囲気を出すことが大切です。かしこまりすぎず、親しみやすい言葉遣いを心がけましょう。
電話反響対応では、個々の営業担当者のスキルに依存するのではなく、トークスクリプトを作成することで、誰が対応しても一定の質の高い対応が可能になります。これにより、店舗全体の反響来店率が安定し、向上に繋がります。
まずは、店舗の反響数と来店数を正確に把握し、現在の反響来店率を算出することから始めましょう。そして、「反響対応速度」「追客頻度」「反響返信内容」のどこに課題があるのかを特定し、改善策を実行することで、総反響来店率60%超えを目指しましょう。
来店からの案内率90%達成の秘訣:綿密なヒアリング
反響来店率の次に重要となるのが、来店からの案内率です。目標は90%と設定しましょう。近年、お客様はインターネットで事前に物件を絞り込んで来店されることが多いため、来店時点で既に見たい物件が決まっているケースがほとんどです。
もし案内率が90%を下回る、あるいはお客様が事前に調べてきた物件以外の案内が難しい場合は、ヒアリングシートの見直しが必要です。ヒアリング時に最低限把握すべき項目は以下の4点です。
1. 属性(職業、年齢層など)
2. 職場
3. 同居人構成
4. 今の住まいに対する不満点
インターネットで希望条件を検索できる現代において、お客様は多くの希望条件を持っています。しかし、その全てを満たす物件は稀です。そこで、上記のヒアリング項目を通じて、お客様の「絶対に外せない希望条件」を見極め、希望優先順位を一緒につけていくことが非常に重要になります。お客様自身も自分の優先順位を整理できるため、その後の物件提案がスムーズに進みます。
店舗全体で案内率90%を達成していても、個人の成績が思わしくない場合は、上記の4項目を十分にヒアリングできているかを確認してください。誰が対応しても安定した質の高い顧客対応ができるよう、ヒアリングの質を均一化することが案内率向上に繋がります。
入居申込率80%達成へ:クロージングシートと確認の徹底
最後に、案内からの申込率を向上させる方法です。店舗平均で80%を目標としましょう。案内率を向上させるための綿密なヒアリングと、お客様との希望物件のすり合わせができていれば、申込率は自然と高まります。
もし案内率が高いにもかかわらず申込率が低い場合は、クロージングが不足している可能性が高いです。クロージングシートがない場合は、まず作成しましょう。
クロージングシートはお客様に記入してもらうのが基本です。紙に書き出すことで、お客様自身が客観的に物件を評価し、「どこが気に入ったか」「どこが不満か」を把握できます。以下の6つの項目に沿って、細かく感想を記入してもらいましょう。
1. 設備
2. 水回り
3. 周辺環境
4. 条件
5. 家賃
6. その他条件(ペット可など)
クロージングシートと、初回来店時に確認した希望優先事項を照らし合わせることで、「もっといい物件があるかもしれない」というお客様の漠然とした不安を解消し、「私の希望条件は全て揃っているから、この物件で良い」という確信へと導くことができます。
初回ヒアリング時もクロージング時も、お客様と一緒に声に出して確認することがポイントです。これにより、お互いの認識のズレがなくなり、会話が非常にスムーズに進みます。
これらの手法を実践することで、賃貸仲介の業績アップを確実に実現できるでしょう。
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